- 軽貨物回想録 2026.10.07
宅配しかないと思っていた私が、お弁当配送で取り戻した時間。
朝、これから配る荷物を見て、「今日、本当に終わるのかな」と思ったことはありませんか。
私も宅配をやっていたので、その気持ちは分かります。朝も早いし、配り始めたら走り回らなきゃいけない。置き配ではなく、一軒ずつ受け渡しをして回ると、90件、100件と続けるのは、私には体力的にきつかったんです。
でも、あの頃は、ほかの仕事を探そうというところまで考えが及びませんでした。軽貨物でどんな仕事ができるのか、右も左も分からず、配送といえば宅配しかないと思っていたからです。
今日は、そんな私がお弁当の配送を知って、働き方を変えた話をしたいと思います。今、宅配で毎日走っていて、「このまま続けていけるのかな」と感じているあなたに、知っておいてほしいことがあるんです。
初めての港区のコースで、120件を配り切れなかった
今でも苦い経験として覚えているのが、初めて港区のコースを回ったときのことです。
朝、仕事に行って荷物を仕分けると、配達先は約120件ありました。初めて回るコースですから、勝手も分かりません。それでも配り始めたのですが、自分では70件までしかできなかったんです。
結局、いろんな人にヘルプに来てもらって、ようやく終わりました。自分だけでは配り切れず、周りの人の手を借りた。あれは、忘れられないですね。
宅配をしているあなたなら、件数の数字だけでは分からない大変さがあることも、ご存じだと思います。一軒ずつ届ける仕事を、朝から積み重ねていく。その先にまだたくさんの届け先があると思うと、体のきつさだけでは済まない日もありますよね。
私がこの話をするのは、「120件は誰にもできない」と言いたいからではありません。その仕事を続けている人がいることも分かっています。ただ、自分にはきつかったし、配り切れないこともあった。そこは、正直に話しておきたいんです。
お金がなくて、ほかの仕事も知らなかった
しかも、当時の私には、お金の余裕もありませんでした。
運送会社にガソリン代を借りたり、売上の半分を先にもらったりしながら、仕事をしていました。車を走らせるお金にも困る状況で、まずは目の前の仕事をやらなければ、という思いがありました。
そんなときに「きついなら、別の仕事にすればいい」と言われても、簡単には動けませんよね。毎日の生活があるし、ほかに何ができるのかも分からない。私自身が、まさにそうでした。
軽貨物の車で運ぶ仕事なのに、私の中では、配送の仕事と宅配がほとんど同じものになっていたんです。ほかの選択肢を知らなければ、比べることもできません。
だから今、宅配の仕事をしている人に、別の配送もあると伝えたいんです。「すぐ辞めましょう」という話ではなく、まず知るだけでも、自分の仕事の見方は変わると思うからです。
ほかのドライバーに聞いて、お弁当配送を知った
きっかけは、仕事先で出会うドライバーたちでした。同じように軽貨物の配送をしている人がたくさんいて、その人たちから、ほかの仕事の話を聞くようになったんです。
そうして私が最初にやってみた、宅配以外の仕事がお弁当の配送でした。
同じ軽貨物でも、運ぶものや仕事の組み方が変わると、働き方も変わる。そのことを、自分でやってみて知りました。それまでは「配送を続けるなら、この働き方しかない」と思っていたので、ほかの仕事を知れたこと自体が大きかったですね。
お弁当配送の仕事内容については、お弁当配送という働き方を紹介した記事もあります。ここでは、私が働き方を見直すことになった、お金と時間の話を続けます。
2万円と1万6,000円。売上だけを見ていたら、気づかなかった
例えば、お弁当の配送で、4時間働いて売上が8,000円。8時間なら1万6,000円になる。一方で、宅配では12時間働いて2万円になる。私が経験して考えた違いを、こういう数字で比べてみてください。
一日の売上だけを見ると、2万円の宅配のほうが高いですよね。お金が必要なときほど、そちらに目がいくのは、私にもよく分かります。
でも、働いた時間で割ると、お弁当配送は1時間あたり2,000円、宅配は約1,667円の売上です。8時間のお弁当配送と12時間の宅配を比べれば、売上の差は4,000円で、時間の差は4時間あります。
その4時間も含めて働いて、しかも体はかなりきつい。そこまで考えると、「一日の売上が高いから、こちらのほうがいい」とは、私には言えなくなったんです。
もちろん、これは当時の経験をもとにした比較例で、今のお弁当配送や宅配の単価を示すものではありません。また、ここで割っているのは売上で、経費を引いた手取りでも、雇用されて働く場合の時給でもありません。
実際に比べるときは、ガソリン代や車両代など、自分が負担するものも確かめてください。それから、配っている時間だけでなく、仕分けや仕事に必要な待機、片付けまで入れると、自分の一日をどれだけ使うのかが見えてきます。
詳しい数字の見方は、求人票の「日給」「月収可能」についての記事にも書いていますが、まずは今の仕事の売上と、朝から仕事を終えるまでの時間を並べてみてほしいんです。私も、その見方をしたことで、働き方を考え直せました。
空いた時間は、家族と過ごす時間にも、勉強する時間にもなった
お弁当配送をするようになって、自分の時間を取れるようになりました。そして、家族と過ごす時間もできたんです。
売上の数字を比べているだけでは、この変化は出てきません。でも、私にとっては、仕事を変えてよかったと思える大きなことでした。
さらに、余った時間で、配送以外のことも勉強するようになりました。パソコンでできることを覚えたり、別の収入について学んだり。仕事で一日を使い切っていた頃には取りにくかった時間を、そういうことにも使えるようになったんです。
働く時間が空いたからといって、必ず別の収入ができるわけではありません。私がここで伝えたいのは、勉強したり、次のことを考えたりする時間を持てた、という変化です。
あなたなら、その時間を何に使いたいですか。家族と過ごしたい人もいれば、自分のためにゆっくりしたい人もいるでしょう。今は疲れて、そんなことを考える余裕がない人もいるかもしれませんね。
毎月必要なお金を残せるかは、もちろん大事です。そのうえで、仕事が終わったあとにどんな時間が残るかも、仕事を選ぶときに一緒に考えていいと思うんです。
宅配を続けるしかない、と思っているあなたへ
今、宅配の仕事をしていて、朝の荷物を見るだけで気が重くなる。体もきついけれど、お金が必要だから働くしかない。もしそんな毎日を送っているなら、あの頃の私と重なるところがあるかもしれません。
私も、ほかの仕事があると知らないまま、宅配をしていました。だから、ドライバーたちから聞いた話が、次の働き方を知る入口になったんです。
あなたにも、まずはその入口を持ってほしいと思っています。お弁当配送のほかにも、企業への配送やルート配送、スポット便、チャーター便など、軽貨物にはいろいろな仕事があります。午前だけ・午後だけの働き方についての記事も、選択肢を知るきっかけにしてもらえたらうれしいです。
ただ、名前が変われば、どの仕事も自分に合うというわけではありません。売上はいくらで、何を負担するのか。仕分けや片付けも含めて、何時から何時までか。荷物や届け先はどんな内容か。今の生活を守れる条件なのかを、聞いてから考えてください。
オーシャンズの仕事が気になったら、「今は宅配をしています。体がきつくて、ほかの配送を知りたいんです」と、そのまま話してもらって大丈夫です。今の仕事を辞める前に、募集内容を見て、希望する収入や時間と合うかを確かめてみてください。
あの頃の私は、配送の仕事は宅配しかないと思っていました。でも、ほかのドライバーの話を聞いて、お弁当を配ってみたことで、自分と家族の時間を持てるようになりました。
この話が、あなたの働き方を考えるきっかけになったらうれしいです。配送を続けながら、暮らしを変えられる道があるか。そこから、一緒に考えましょう。