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「日給2万円」「月収50万円可能」は何を意味するのか|軽貨物求人票の数字の読み方

「日給2万円」「月収50万円可能」は何を意味するのか|軽貨物求人票の数字の読み方

軽貨物ドライバーの求人を並べて見ると、数字がずいぶん大きく見えます。「日給20,000円」「月収50万円可能」「手取り30万円保証」。会社員の給与感覚でこれを見ると、かなり良い条件に思えます。

けれど、これらの言葉はそれぞれ違うものを指しています。そして多くの場合、書いてあることは嘘ではありません。読み方を知らないだけで、想像とずれてしまうのです。

この記事では、東京・江東区で18年軽貨物配送を続けてきた立場から、求人票の数字が実際には何を意味しているのかを説明します。当社の求人票も例に使います。他社を批判するための記事ではなく、どの求人票も同じ目で読めるようになるための記事です。

大前提:業務委託の「日給」は給料ではありません

いちばん大事なところから始めます。業務委託で働く軽貨物ドライバーの場合、求人票の金額は給料ではなく売上です。

会社員の給料業務委託の報酬
ガソリン代会社が負担原則あなた
車のお金会社が負担原則あなた
保険会社が半分負担全額あなた
税金天引きされる自分で申告して納める
手取りとの差2割程度半分近くになることも

この構造を知らずに転職すると、「聞いていた金額より全然残らない」という状態になります。具体的な計算は手取りの記事にまとめました。

よく見る表現と、その本当の意味

「日給5,000円〜25,000円」——幅が広いのはなぜか

これは当社がIndeedに出している求人の表記です。5倍もの開きがありますが、理由は単純で、案件の種類と稼働時間がまったく違うからです。

  • AM便・午後便などの半日稼働なら、日給4,000円〜12,000円前後
  • スポット便・チャーター便は1案件あたり5,000円〜20,000円前後
  • 組み合わせてフル稼働すれば上限に近づく

幅のある求人票を見たら、聞くべきことはひとつです。「その下限は、どういう働き方をしたときの金額ですか」。上限ではなく下限を確認してください。上限は理想値ですが、下限は現実に起こり得る値です。

「月収50万円可能」——”可能”という言葉

この「可能」は、そういう人が実在するという意味であって、平均でも保証でもありません。

多くの場合、月50万円は「週6日・フル稼働・長距離も受ける」といった条件で達成される数字です。そして、そこから経費と税金・社会保険が引かれます。

聞くべきことは「その方は週何日、1日何時間稼働していますか」です。金額ではなく、その金額に到達するための条件を確認してください。

「手取り30万円保証」——保証には必ず条件があります

当社にも月額30万円を保証する案件があります。じつはこの求人、以前は「手取り30万保証」というタイトルで出していました。けれど求人票の注釈には「弊社からの振込額です」と書いてある。振込額と手取りは違います。誤解を招く表記だと気づき、「月額30万円保証」に改めました。

自社のことを引き合いに出すのは、保証という言葉が出てきたら条件を必ず確認してほしいからです。当社に対しても、遠慮なく確認してください。

確認すべきなのは次の3点です。

  • 何を満たせば保証されるのか(週何日、1日何時間、どの案件を走ること)
  • いつまで保証されるのか(最初の3か月だけ、なのか継続なのか)
  • 「手取り」の定義は何か(経費を引いた後か、経費は別か)

この3つに明確に答えられる会社なら、その保証は信用してよいと思います。逆に、答えが曖昧なら「保証」という言葉に意味はありません。これは当社に対しても同じように聞いてください。

「完全歩合制」——収入が自分の責任だけで決まらない仕組み

件数や配送回数に応じて報酬が決まる仕組みです。頑張った分だけ増えるという意味では分かりやすいのですが、注意点があります。

渋滞、荷物の少ない日、荷主都合の待機。これらはあなたの責任ではないのに、収入が下がります。逆に、時給制の案件なら待機時間も報酬になります。どちらが良い悪いではなく、収入の振れ幅が違うということです。

「未経験歓迎」——中身を聞かないと意味がない

4文字だけでは何も分かりません。聞くべきは「未経験の人に、最初の1か月で何をしてくれますか」です。

  • 同乗研修はあるか。何日間か
  • 研修期間中の報酬はどうなるか
  • 分からないことを聞ける相手は決まっているか

ちなみに当社の場合、試用・研修期間は2日間で、この期間は本採用と報酬条件が異なります(日給2,500円〜12,500円)。研修期間の条件も、必ず書面で確認してください。ここを曖昧にする会社は避けたほうが無難です。

「アットホームな職場」——判断材料にはなりません

悪い意味ではありませんが、これは条件ではありません。雰囲気が良いかどうかは、実際に行って人と話さないと分かりません。文字で判断せず、職場見学や体験の機会があるかを確認してください。

2024年11月から、求人の表示にもルールができました

2024年11月1日に施行されたフリーランス法では、発注する側に「募集情報の的確表示」が義務づけられました。虚偽の表示や、誤解を生む表示をしてはならない、という内容です(公正取引委員会)。

あわせて、取引条件を書面等で明示することも義務です。つまり、「求人票の条件と実際の条件が違う」「条件を書面でもらえない」というのは、法律上の問題になり得ます。

これは、あなたが強く出ていい根拠になります。「書面でください」と言うのは、わがままではなく当然の要求です。

求人票を見るときのチェック表

求人票の表現確認すること
日給◯円〜◯円下限はどんな働き方のときか
月収◯万円可能その人の稼働日数・時間は
◯万円保証条件・期間・「手取り」の定義
完全歩合制荷物が少ない日・待機の扱い
未経験歓迎研修の日数と、その間の報酬
高収入経費は誰が負担するか
車両貸与貸与か、あなた名義のリースか
ガソリン代支給全額か、上限があるか
即日勤務OK契約書はいつもらえるか
記載がない項目書いていないものは、聞く

最後の行がいちばん重要です。求人票に書いていないことは、良い条件だから省略されているわけではありません。ロイヤリティ、管理費、違約金。書いていないものこそ、面談で確認してください。

よくある質問

求人票と実際の条件が違いました。どうすればいいですか?

まず、求人票の内容を保存してください(スクリーンショットで構いません)。そのうえで会社に説明を求めてください。フリーランス法は募集情報の的確表示を義務づけています。解決しない場合は、フリーランス・トラブル110番(厚生労働省委託・第二東京弁護士会運営/無料・匿名可/0120-532-110)にご相談ください。

数字の大きい求人ほど怪しいということですか?

そうとは限りません。数字が大きいこと自体は問題ではなく、その数字に到達する条件が説明できるかどうかが問題です。「週6日フル稼働すればこうなります」と具体的に言える会社は、むしろ誠実です。

複数の会社を比べたいのですが、何を揃えて比べればいいですか?

手取りで揃えてください。日給、稼働時間、経費の負担者、天引きの有無。この4つを聞き出せば、同じ土俵で比べられます。日給だけを並べても意味がありません。比べ方は経費の記事で説明しています。

面談でここまで聞いたら、印象が悪くなりませんか?

まともな会社なら、むしろ好印象です。条件を確認する人は、仕事も確認しながら進める人だと分かるからです。質問を嫌がる会社は、聞かれたくないことがあるということです。

まとめ:数字ではなく、条件を読む

求人票の数字は、多くの場合、嘘ではありません。ただし「どういう条件でその数字になるのか」が省略されているだけです。そこを聞けるようになれば、求人票の比較は一気に正確になります。

株式会社オーシャンズは、東京・江東区で18年、軽貨物配送を続けてきました。この記事に書いたチェック表は、当社の面談でもそのまま使ってください。下限の条件も、研修期間の報酬も、保証の条件も、聞かれれば全部お答えします。

そのうえで納得していただけたなら、一緒に走りましょう。

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※本記事の法制度に関する記述は、記事作成時点の公表情報にもとづく一般的な説明です。個別のご相談は上記の窓口や専門家へお願いいたします。