- 軽貨物ドライバー向け 2026.10.02
一時停止で止まるのは、車だけでよかった。|軽貨物ドライバーの免停と仕事
うちの契約ドライバーが、免停になることになりました。
一時停止の違反が関わっています。
軽貨物の仕事は、車を運転できなければ配送に出られません。その間の売上がなくなる。本人も、それで困っていました。
今回は、当社で内勤として雇うことにしました。運転をしない仕事で、収入を得られるようにするためです。
ただ、それでよかったね、と終わらせてはいけないとも思っています。
本人にも考えてほしいし、毎日ハンドルを握っている方にも、自分のこととして少し読んでもらえたらと思って、この話を書いています。
運転できなくても、毎月の支払いは待ってくれない
免停と聞くと、何日間乗れないのか、いつ仕事に戻れるのか。まず、そこが気になると思います。
運転で生活している人なら、なおさらですよね。
仕事が止まっても、生活に必要なお金は出ていく。家賃や車の支払いがある人もいるでしょう。家族を養っている人なら、自分一人の問題では済みません。
「自分が違反したんだから、自分が困るだけ」
そう割り切れるほど、仕事と暮らしは別々になっていないんです。
今回、内勤で雇うことにしたのも、生活をどうするかという現実があるからです。まずは働ける場所をつくる。そのうえで、今回のことをきちんと振り返ってほしいと思っています。
その道を歩いていた人にも、帰る家がある
でも、この話でいちばん考えてほしいのは、自分の売上がなくなることだけではありません。
一時停止をしなかった、その先に誰がいたか。
歩いている人がいたかもしれない。自転車で通る人がいたかもしれない。こちらの車に気づいて、相手が止まってくれていた可能性だってあります。
これは、今回そういうことが実際にあったと決めつけているわけではありません。ただ、自分から見えていなかったことまで、考えてみてほしいんです。
運転席からは、道を横切る一人の人に見えるかもしれません。でも、その人にも今日の予定があって、帰る家があって、待っている人がいるかもしれない。
もしぶつかっていたら、その人の生活まで変えてしまう。
「捕まって損をした」で終わらせず、「誰かを傷つける運転になっていなかったか」まで考える。
そこを抜かしてしまうと、次に気にするのも、警察がいるかどうかになってしまいます。
一時停止の場所では、きちんと止まり、安全を確かめてから進む。その時間は、道を使う相手のためにも、自分のためにも必要な時間です。
荷台の荷物の向こうにも、人がいる
配送の仕事には、もう一つつながっている先があります。荷物を預けてくださった荷主さんと、受け取る方です。
たとえば、配送中に違反の取り締まりを受けたら。その対応で、予定していた到着時刻に間に合わなくなるかもしれません。
荷物を待つ方が、次の仕事を始められなくなる。荷主さんが先方への連絡や調整をすることになる。代わりの配送を、別のドライバーに頼むことになる。
一つの行動から、そうやって周りの予定まで変わる可能性があります。
急いでいるときほど、目の前の一件を早く終わらせたくなるものです。けれど、安全確認を省いて、その結果もっと長い時間、仕事を止めてしまったら。何のために急いでいたのか、分からなくなりますよね。
間に合わないと思ったら、安全な場所に停めて連絡する。会社側も、遅れの相談を受けたときに、ただ急がせるような返しをしない。
ドライバー一人に気をつけてと言うだけでなく、こちらもそういう受け止め方をしなければと思います。
働く場所ができても、振り返ることは残る
今回、内勤の仕事を用意できたことで、運転できない間も働く道はできました。
ただ、仕事が見つかったことで、一時停止の違反まで済んだ話になるわけではありません。
どうして止まれなかったのか。確認が抜けていなかったか。いつもの道だから、という慣れがなかったか。
理由は本人が振り返ることです。こちらが勝手に決めつけて叱っても、肝心なところには届かないと思います。
私が望んでいるのは、ただ肩身の狭い思いをして過ごしてもらうことではありません。もう一度ハンドルを握るときに、同じことを繰り返さないでほしい。そのために、この時間を使ってほしいんです。
なお、免停中は車を運転できません。配送だけでなく、通勤などでも同じです。運転を再開できる日は、処分の通知と免許センターなどの案内で確認する必要があります。
困っているときほど、言い出すのが遅くなることもあると思います。仕事への影響が分かったら、早めに担当者へ伝えてください。連絡をためらってしまう方に向けて書いた記事もあります。
一つ先を考えることは、運転以外にもつながっていく
今回のことで、改めて思いました。
自分の行動が、そのあと誰にどう影響するのか。そこまで考える癖は、運転だけの話ではないんですよね。
連絡を一本、後回しにする。その間、相手は返事を待っているかもしれない。
確認を一つ、省いてしまう。そのあとで、誰かがやり直すことになるかもしれない。
逆に、先に一言伝えるだけで、相手が動きやすくなることもあります。
毎回、全部を見通せるわけではありません。私自身も、目の前のことでいっぱいになることがあります。だからこそ、「この先、誰が困るだろう」と一度考えることを、大事にしたいんです。
その積み重ねで、仕事の任され方や、人との関わり方も変わっていくのだと思います。
一時停止で止まるのは、車だけでよかった。
仕事や暮らしまで止めてから、その時間の大切さに気づくのは、やっぱりつらいです。
次の交差点では、きちんと止まる。左右を見て、そこを通る人のことまで考える。
これからも運転の仕事を続けていくために。今回の話が、そのひと呼吸につながってくれたらと思います。
補足:免停の処分は、違反の累積点数や処分歴などによって異なります。一時停止違反1回で必ず免停になるという意味ではありません。処分の詳細は、神奈川県警察の点数制度の案内、手続きは千葉県警察の停止処分の案内など、ご自身の通知に対応する窓口でご確認ください。