- 軽貨物回想録 2026.10.13
あの頃、事務所のお菓子をよく食べていたS君と、今はゴルフに行っています。
ボリボリ、ボリボリ。
S君が事務所に来た頃のことを思い出すと、まず浮かんでくるのが、お菓子を食べていた姿なんです。
うちの事務所には、お菓子やクッキーがよく置いてあります。S君は、来るたびにそれをよく食べていました。それはもう、食べっぷりが記憶に残るくらいに。
お弁当配送の募集を見て来てくれた人の話なのに、私が最初に思い出すのは、お弁当よりお菓子。ちょっとおかしいですよね。でも、あの頃の彼のことを話すなら、この記憶は外せないんです。
今では、ときどき一緒にゴルフにも行きます。結婚して、お子さんも生まれて、趣味を楽しむお金と時間もある。そんなS君を見ると、よかったなあと思うんですが、最初からそうだったわけではありません。
午後は宅配をしています。午前にも仕事がほしいんです
S君が探していたのは、午前中のお弁当配送でした。午後には宅配をしていたので、そこに午前の仕事を組み合わせたいという希望で来てくれたんです。
本人の話では、午後の宅配は報酬の面でも厳しく、お金に困っていました。詳しく聞くと、ご飯も十分に食べられないということでした。
来た当時のS君は、とても痩せていました。事務所のお菓子をよく食べていた姿は面白くて印象に残っていますが、その背景を聞くと、ただの食いしん坊の話として終わらせられません。
お金がなくて、食事もままならない。それでも午後の配送をして、さらに午前の仕事を探している。
今この記事を読んでいるあなたも、働いているのに生活が苦しいとしたら、他人事ではないかもしれませんね。仕事があることと、その仕事で暮らしていけることは、同じではないんです。
収入を増やしたいという話の向こうには、毎日の食事や支払いがあります。仕事を探して来る人の希望を、午前が空いているからという予定の話だけで受け取ってはいけない。S君のことを振り返ると、私はそう思います。
午後の仕事が終わり、オーシャンズの仕事をするように
S君には、その後、何年もオーシャンズで働いてもらっています。ただ、最初からずっと順調に進んだ、という話でもありません。
以前していた午後の宅配は、急に仕事が終わってしまったと聞いています。こちらの仕事ではなかったので、先方の詳しい事情までは分かりません。
仕事を辞めようと考える時間がある場合と、急に仕事がなくなる場合では、気持ちも段取りも違いますよね。生活のために働いているなら、次はどうするかという心配もあります。
そうした経過もあり、S君はオーシャンズの仕事をしてもらうようになりました。最初のうち、お金がうまく回るまでは大変だったかもしれません。仕事を増やしたら、その日から何もかも安心になる、とは簡単にいかないと思うんです。
でも、何年も働いてくれている今の彼を見ていると、あのときの相談から、暮らしがずいぶん変わったんだなあと感じます。
午前や午後の仕事をどう組むかを考えている方には、午後の案件を探して来たCさんのお話もあります。こちらはS君とは別の方の経験ですが、働ける時間に合う仕事を知ることが、次を考えるきっかけになるのは同じですね。
今は、家族がいて、好きなことを楽しんでいる
S君は結婚して、お子さんも生まれました。家庭を築き、趣味に使えるお金もあって、好きなことに没頭しています。
ゴルフを楽しむ余裕もできて、たまには私も一緒に行きます。
ゴルフの話をしているS君を見ると、あの頃の事務所のことが、ふと頭に浮かぶんです。よくお菓子を食べていたなあ。あのときは、お金も食事も大変だったんだよなあ、と。
最近は、来た頃より少しふっくらしました。最初の痩せていた姿を知っているので、それも含めて、今のS君を見ると感慨深いものがあります。
ただ、私がうれしいのは、見た目の変化以上に、仕事の先に彼自身の暮らしがあることです。
働いたあとに家族との生活があり、好きなことを楽しむ余裕もある。今日の生活をつなぐためだけではなく、自分の楽しみにお金を使えるようになっている。
仕事を頑張って、その先で自分の人生を楽しめる。そういう姿を見られるのは、本当にうれしいんです。
S君は、何年も自分で仕事を続け、暮らしを築いてきました。毎日の配送をしてくれる彼への感謝と、今の彼を見られる喜び。その両方があります。
バニラシェイクも、強烈なハイボールも
S君とは、マクドナルドのバニラシェイクも、よく二人で一緒に飲みました。
事務所のお菓子だけではなく、バニラシェイクまで出てきましたね。こうして振り返ると、S君との思い出には、食べたり飲んだりしたことがよく出てきます。
両国の中華料理店「小次郎」で、一緒にハイボールを飲んだこともあります。こちらは、バニラシェイクの穏やかな話から一転、記憶が飛びそうなくらい強烈なハイボールでした。
お菓子にシェイクにハイボール。並べると、何の会社の話をしていたんだっけ、となりそうですが、S君との付き合いを思い出すと、仕事以外のこういう時間も浮かんでくるんです。
配送の仕事をきっかけに知り合って、何年も働いてもらい、一緒に飲み物を飲んだり、今ではゴルフへ行ったりする。仕事をお願いするだけではない、そんな付き合いになっていることもうれしいです。
一緒に何かを食べたり飲んだりすることが、心に残る思い出になる。S君と私には、そういう時間がありました。
会社の仕事の向こうに、その人の暮らしがある
会社の側から見ると、何時から何時まで、どの配送をお願いするかという話になりがちです。もちろん、それは仕事を組むために必要なことです。
でも、その時間を働いてもらったあと、その人がどんな生活をするのか。そのことまで大事にしたいと思っています。
生活費が足りないから、もう少し仕事をしたい。家族との時間をつくりたい。趣味も楽しめる暮らしにしたい。仕事を探す理由は、一人ひとり違いますよね。
S君は、午後の宅配に加えて午前も働きたいと来てくれました。それが何年ものつながりになり、今は一緒にゴルフへ行くこともある。最初の相談のときには、ここまでの付き合いを思い描いていたわけではありません。
そういう関係ができるのも、この仕事の好きなところです。配送をお願いするだけでなく、その人の暮らしが変わっていくところにも、少し関わらせてもらえる。
ドライバーさんと心を通わせて働きたいという思いは、これからも大切にしたいです。仕事の条件が合うことと、人として話せること。その両方がある関係を、少しずつつくっていきたいと思っています。
今、生活のことで困っているあなたへ
もし今、働いているのに生活が苦しいなら、気持ちのいい話だけを聞いても、すぐには安心できませんよね。
S君と同じような暮らしになると、誰にでも約束できるわけではありません。仕事の条件も、必要なお金も、その人によって違います。
それでも、今の仕事だけでは足りない、別の働き方を知りたいと思っているなら、まずは話を聞きに来てもらえたらと思います。
何時から動けるのか。今はどんな仕事をしているのか。生活のために、どのくらい必要なのか。話せるところからで大丈夫です。今の仕事を辞めてから相談に来る必要もありません。
私自身も、宅配から別の配送を知ったことで、働き方を考え直した経験があります。気になる方は、私がお弁当配送を知ったときのお話も読んでみてください。
条件を聞いて、自分の暮らしに合うかを考える。そのための相談で構いません。ほかの会社や仕事も含めて、あなたが続けられるものを選んでほしいです。
お菓子を食べていたS君と、今はゴルフへ行っている。
そう書くと、ちょっと笑える話ですね。その間には、二人でバニラシェイクを飲んだことも、小次郎の強烈なハイボールの思い出もあります。でも、私には、その一つひとつが、彼と付き合ってきた年月を思い出させてくれるんです。
あなたにも、仕事の先に自分の暮らしや楽しみがある。そこまで一緒に考えられる会社でありたいと思っています。