- 軽貨物ドライバーへの転職 2026.08.03
軽貨物の案件はこんなに違う|宅配・企業配・ルート・スポット・チャーターを徹底比較
「軽貨物ドライバー」と聞いて、多くの方が思い浮かべるのは宅配だと思います。台車に荷物を積んで住宅街を回り、不在票を入れ、夜に再配達する。テレビで見るのもたいていこの光景です。
けれど実際には、軽貨物の案件は宅配だけではありません。件数も、拘束時間も、体力の使い方も、収入の安定性もまったく違う仕事が、同じ「軽貨物」という言葉でひとくくりにされています。ここを知らないまま宅配だけを経験して「軽貨物は無理だ」と辞めていく方が、本当に多い。
この記事では、東京・江東区で18年軽貨物配送を続けてきた立場から、案件タイプの違いを整理します。自分に合う働き方を探すための地図として使ってください。
まず全体像:5つのタイプ
| 1日の件数 | 拘束時間 | 収入の安定性 | 体力の負担 | 時間の自由度 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 宅配 | 100件超も | 長い(夜まで) | 件数次第で変動 | 大きい | 低い |
| 企業配 | 数件〜数十件 | 相手の営業時間内 | 安定しやすい | 小さめ | 中 |
| ルート配送 | 20〜30件前後 | ほぼ一定 | 安定 | 中 | 低い |
| スポット便 | 1〜数件 | 案件による | 変動が大きい | 小さい | 高い |
| チャーター便 | 1〜5件 | 長いが待機が多い | 1件の単価が高い | 小さい | 中 |
この表だけで、「軽貨物はきつい」という一言がいかに雑な括り方かが分かると思います。順に見ていきます。
① 宅配|件数を追う仕事
個人宅へ荷物を届ける仕事です。ECの拡大で案件数がもっとも多く、未経験でも入りやすいのが特徴です。
良いところは、案件が豊富で仕事が途切れにくいこと。件数をこなせる人なら収入の上限も高くなります。
厳しいところは、再配達と不在です。1日に何百件も回り、置き配のクレームに対応し、夜まで残った再配達を片づける。走行距離が伸びるのでガソリン代・駐車場代・車両の消耗も大きくなります。件数単価なので、渋滞や荷物の少ない日はそのまま減収になります。
宅配が悪いわけではありません。ただ、「軽貨物といえばこれ」と思い込んで消耗してしまうのがもったいないのです。
② 企業配|時間が読める仕事
会社から会社へ荷物を運びます。書類、備品、精密機器、医療機器など、比較的軽い荷物が中心です。
相手も仕事として受け取るので、不在も再配達もありません。営業時間内に終わるため、夜まで延びることも基本的にない。ルートも決まったビル・事業所が中心で覚えやすい。
報酬が時給制の案件もあり、その場合は渋滞も待機も収入に影響しません。件数に追われない働き方を求める方には、いちばん相性がいいタイプです。
一方で、相手の営業時間に合わせるため、開始・終了の時間はある程度固定されます。担当者との受け渡しがあるので、挨拶や報告といったやりとりも発生します。
③ ルート配送|覚えれば楽になる仕事
決まった配送先を、決まった順番で回る仕事です。コーヒー豆、食材、飲料、スーパーへの納品などがこれにあたります。
最大の利点は、慣れると効率が上がっていくことです。道も先方も覚えるので、同じ時間で終わる作業がどんどん楽になります。走行距離が読めるため経費も安定し、月ごとの収入の振れ幅が小さくなります。
デメリットは、毎日同じことの繰り返しになる点と、決まった時間に届ける必要がある点です。「変化がほしい」という方には向きません。
④ スポット便|単発で組み合わせる仕事
「今から、これをここへ運んでほしい」という単発の依頼です。1件あたりの単価が決まっており、案件によって金額は大きく変わります。
強みは時間の自由度です。午前だけ、午後だけ、週に数日だけ。他の案件やアルバイトと組み合わせやすく、副業として使う方もいます。
弱みは、依頼の量が読めないことです。これ一本で生活を組み立てるのは難しく、定期の案件と組み合わせるのが現実的です。
⑤ チャーター便|1台を貸し切る仕事
車1台を貸し切って運ぶ仕事です。長距離もあれば、夕方から深夜にかけて特定の現場に張り付くタイプもあります。
1日の件数は3〜5件程度と少なく、荷物の積み下ろしも限られます。体力よりも、運転と待機に耐えられるかが向き不向きを決めます。待機時間が長いぶん、その時間を自由に過ごせる案件もあります。
長距離では高速代が大きな出費になるため、高速代を会社が全額負担するかどうかで手取りが大きく変わります。ここは必ず確認してください。
自分に合うタイプの選び方
迷ったら、次の表で自分の優先順位から逆算してください。
| あなたが重視すること | 向いているタイプ |
|---|---|
| 収入の波を小さくしたい | 企業配(時給制)/ルート配送 |
| 体力に自信がない・年齢が気になる | 企業配/ルート配送/チャーター便 |
| 夜は家にいたい | 企業配/午前のルート配送 |
| 働く時間を自分で決めたい | スポット便 |
| 短期間で大きく稼ぎたい | 宅配(件数制)/長距離チャーター |
| 人と話すのが苦手 | ルート配送/チャーター便 |
| 副業として週に数日だけ | スポット便/半日の企業配 |
いちばん現実的なのは「組み合わせる」こと
実は、ひとつのタイプに絞る必要はありません。午前と午後で別の案件を組み合わせるのが、もっとも安定します。
| 午前 | 午後 | ねらい |
|---|---|---|
| お弁当配送(3〜5件) | 企業配(時給制) | 体力を使わずに1日を埋める |
| ルート配送 | 休み | 半日で切り上げて生活を優先 |
| 企業配 | スポット便 | 土台+上乗せで収入を伸ばす |
| 休み・別の仕事 | 企業配(時給制) | Wワーク・副業として |
午前だけの案件は続けやすい反面、それだけでは生活に足りないことがあります。逆に宅配一本は稼げても消耗します。組み合わせれば、その両方を避けられます。
よくある質問
未経験ですが、どのタイプから始めるのがいいですか?
件数が少なくルートが決まっているタイプ、つまりルート配送か企業配が入りやすいです。宅配は案件数が多く始めやすい一方、最初から件数を求められるため、慣れる前に消耗しやすい傾向があります。
途中でタイプを変えることはできますか?
会社によります。複数のタイプを扱っている会社なら、相談して案件を変えられます。1種類の案件しか扱っていない会社だと、合わなかったときに会社ごと変えるしかありません。契約前に「他にどんな案件がありますか」と聞いておくと安心です。
年齢的に厳しくなってきました。続けられるタイプはありますか?
荷物が軽く件数が少ないタイプなら、長く続けられます。実際に60代・70代で稼働されている方もいます。体力の使い方が違うだけで、辞める必要はありません。
結局どれがいちばん稼げますか?
「売上」だけを見れば件数をこなせる宅配や長距離チャーターですが、手取りは経費を引いた後の金額です。走行距離が長いほどガソリン代・車両の消耗・高速代がかかります。経費を会社が負担する案件なら、売上が低くても手取りは上回ることがあります。
まとめ:合わなかったのは、あなたではないかもしれない
「軽貨物をやってみたけど、自分には合わなかった」という方の話を聞くと、その多くは宅配の話です。企業配やルート配送を経験したことがないまま、業界そのものを諦めてしまっている。
タイプが変われば、仕事の中身はまったく別物になります。件数に追われない働き方も、夜に家にいられる働き方も、実際にあります。
株式会社オーシャンズは、企業配・ルート配送・スポット便・チャーター便・お弁当配送など、複数のタイプを扱っています。「どう働きたいか」を先に聞いて、そこに案件を合わせるのが私たちのやり方です。まずは話を聞かせてください。