- 軽貨物回想録 2026.10.05
プチプチをつぶして遊ぶ人へ。私たちは、つぶれないように運んでいます。
あの「プチプチ」を作っている会社が、社名まで「プチプチ株式会社」になりました。
しかも、SNSでは「1いいねにつき、プチプチを1個つぶす」という企画まで。
10月2日14時の時点で、約2.6万いいねが集まったそうです。話題を紹介した記事
押したくなる気持ちは、分かります。
一個だけのつもりが、もう一個。
気づけば、さっきまで大切なものを包んでいたシートが、暇つぶしの相手になっている。
でも、配送の仕事をしていると、あれを見る目が少し変わります。
「今日も、荷物を守ってくれたな」
そんなふうに思うんです。
ウェディングケーキを運ぶこともあります
私たちが運ぶものの中には、ケーキもあります。
ウェディングケーキを運ぶことも。
きれいな飾り。柔らかいクリーム。崩したくない形。
写真で見ると「おいしそう」ですが、運ぶ側としては、そこにもう一つ気持ちが加わります。
この形のまま、届けたい。
箱が届け先に着けば、それで終わりという荷物ではありません。
中身がどうなっているかまで、大事なんです。
ウェディングケーキなら、その先に結婚式があります。
私たちにはお会いする機会がなくても、そのケーキを楽しみにしている人がいる。
そう考えると、荷物を見る目も変わります。
安全運転をしていても、道路は平らじゃない
もちろん、荷物は固定します。
運転にも気をつけます。
でも、道路には段差があります。ガタガタした場所もあります。穴が開いていることもあります。
安全運転をしていても、車が揺れることはあるんです。
荷物を積んでいないときなら、通り過ぎて忘れてしまうような段差。
でも、ケーキを運んでいるときは。
……今の、できればなかったことにしたい。
道路に向かって言っても、聞いてはもらえません。
ケーキに「ちょっと踏ん張って」とお願いするわけにもいきません。
だから、運転だけで何とかしようとは思えないんですね。
固定の仕方も、荷物の状態も、梱包も。
いくつもの準備に助けられながら、運んでいます。
届け先で、パティシエさんに助けてもらうことも
ケーキは繊細です。
運んだ先にパティシエさんがいて、必要に応じて形を修正してくださることがあります。
作った人がいる。運ぶ人がいる。届いた先で、仕上がりを整えてくれる人がいる。
一人だけで、全部を守っているわけではないんです。
そのケーキが出番を迎えるまで、いろんな人の仕事がつながっている。
配送をしていると、そういう場面に出会います。
なお、ケーキをプチプチで包めば安心、という話ではありません。品物ごとに必要な容器や固定方法、運ぶ条件は違います。
ケーキの話は、荷物を守るために、運転以外の準備や人の手も大切だと感じる一例です。
梱包に助けられたことは、しょっちゅうあります
ケーキに限らず、梱包に助けられることは、本当によくあります。
荷物を固定していても、走っていれば揺れはある。
そこで、しっかりした梱包が荷物を守ってくれる。
私たちが助かっている、というだけではありません。
守られているのは、お客様の荷物です。
箱の中には、作った人の手間が入っていることもあります。
これから使う人が、到着を待っていることもあります。
値段だけでは測れないものを、運んでいるんですね。
梱包は、受け取ったあとには外されるものです。
プチプチも、段ボールも、役目が終われば片付けられる。
でも、無事に届いた荷物の陰で、ちゃんと働いてくれていた。
配送の仕事をしていると、そのありがたさを感じます。
何も起きなかった。それが、うれしい仕事です
崩れなかった。
壊れなかった。
必要な場所に、必要なものが届いた。
配送では、そんな「何も起きなかった」が、うれしいんです。
荷物を受け取る人にとっては、当たり前かもしれません。
でも、その当たり前のために、梱包した人も、積み込む人も、運転する人も気を配っている。
ウェディングケーキなら、届いた先のパティシエさんの手も加わる。
自分の仕事が、誰かの仕事につながっていく。
その先に、誰かの大切な一日がある。
配送の面白さは、走った距離や運んだ数だけではないと思っています。
「丁寧に届けたい」と思える人へ
もしあなたが、こんな仕事を少し気にしてくれたなら。
配送の仕事を、働き方の候補に入れてみませんか。
運転が好きな人も。人の役に立つ仕事がしたい人も。
「この荷物、どうすれば傷めずに運べるかな」
そう考えられる気持ちも、大切だと思っています。
もちろん、仕事内容は募集によって違います。この記事を読んだからといって、ケーキの配送を担当するというわけではありません。
何を運ぶのか。どんな車を使うのか。何時に働いて、報酬や経費はどうなるのか。
あなたの暮らしに合うか、具体的な条件を見ながら考えてください。
オーシャンズの募集はこちらです。
さて、荷物を受け取ったあとのプチプチ。
つぶして楽しむ前に、ほんの一瞬だけ。
「中身を守ってくれて、ありがとう」
と思ってもらえたら、配送をしている私たちも、ちょっとうれしいです。
そのあと一個でやめられるかどうかは。
……別の話です。